2012年10月06日

精子提供: 父親を知らない子どもたち

4104388033精子提供: 父親を知らない子どもたち
歌代 幸子
新潮社 2012-07-27

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生殖補助医療の一つである非配偶者間人工授精(AID)により生まれた子供たちのその後を描いたノンフィクション。

最近は少し変わってきたらしいのですが、以前はAIDで生まれた子供にはそのことを隠すのが前提だったそうです。
その子供たちがひょんなことで自らの出生について知り、声を上げ始めています。

とても考えさせられる本でした。
治療を行う親の気持ちが語られることはあっても、様々な医療の結果生まれてきた子どもについて語られることは本当に少ないと思います。
でも、親は自分たちで納得して行ったことでも、子どもはそのことに意見を言うことはできません(生まれてないんだから当たり前ですが)。
だからこそ、生まれてくる子どもたちのことを第一に考えるべきなんじゃないかなと個人的には思います。
そういった視点から読むと、本当に深いノンフィクションでした。
posted by ぷぅ at 14:23| Comment(0) | TrackBack(0) | さ行

2012年09月15日

たった独りの引き揚げ隊 10歳の少年、満州1000キロを征く

4041003733たった独りの引き揚げ隊 10歳の少年、満州1000キロを征く (角川文庫)
石村 博子
角川書店(角川グループパブリッシング) 2012-07-25

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最近、HONZというノンフィクションを紹介している書評サイトにはまっております。
それで、この頃、やたらとノンフィクションの紹介が多いわけです。
まぁ、近頃おもしろい小説が見つけられないってのもあるのですが。

で、この本もHONZで紹介されていたもの。こちらで紹介されなかったらきっと気づかなかった本です。

レスリングとロシアの格闘技サンボで有名な選手だった方で、柔道の指導もしたらっしゃったビクトル古賀さんの少年時代を描いたノンフィクションです。
タイトルの通り、戦後、満州の奥地からたった独りで日本へ引き揚げてくるまでをメインに描いています。
何故、当時10歳の子供がたった独りで引き揚げることになったのかというと彼がロシア人と日本人の間に生まれた子供だったから。
途中、彼が日本人たちから受けた仕打ちは読んでいて非常に腹が立ち、同じ日本人として恥ずかしかった。もちろん時代が今とは違ったというのは理解していますが...。こういったことを二度と起こさないためにも戦争を起こしてはいけないなと思います。

でも、悲惨な話なのかというと全くそうではありません。
ビクトルさんのおじいさんはコサックで彼は小さなころからコサックとしての知恵を教えられて育っていて、しかも自由人でもあった彼はとても過酷に思える道のりを、とても楽しそうに歩きとおしています。本当に素晴らしい。

彼は道中、離れたところから日本の引き揚げ隊の姿も見かけます。
隊の運命はリーダーの資質でかなり左右されていたそう。女性や子供、老人の多い引き揚げ隊でリーダーになるのは壮年の男性。彼らが自分たちが助かることだけ考えているか、体力のないものを気遣っているかでかなり隊の様子が変わっていたんですって。なんと後者の方が、多くの人が無事に生き抜くことが多かったとか。
戦時も、平常時も自分のことしか考えないリーダーはダメだってことですな。


引き揚げというと悲惨な話をよく聞きますが、彼の旅路はそれとはまったく違って、とても爽やか。
本当に素敵な読後感の本でした。ビクトルさん、無事に生きて帰って、体験を語ってくださってありがとう、と言いたいです。
posted by ぷぅ at 16:56| Comment(0) | TrackBack(0) | た行

2012年09月13日

生きる悪知恵 正しくないけど役に立つ60のヒント

4166608681生きる悪知恵 正しくないけど役に立つ60のヒント (文春新書 868)
西原 理恵子
文藝春秋 2012-07-20

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人生相談に西原さんが答える、というそれだけ聞いてもなかなかすごそうな本。
実際にすごかったざんす。

回答の内容にすべて共感できるわけではないけれど、真面目に堅苦しく考えるだけがすべてじゃない、嘘や自分への甘さも時には大切なんだなとしみじみ思いましたです。

最後の一言まとめがどれも秀逸すぎます。
posted by ぷぅ at 17:41| Comment(0) | TrackBack(0) | あ行