2012年09月15日

たった独りの引き揚げ隊 10歳の少年、満州1000キロを征く

4041003733たった独りの引き揚げ隊 10歳の少年、満州1000キロを征く (角川文庫)
石村 博子
角川書店(角川グループパブリッシング) 2012-07-25

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最近、HONZというノンフィクションを紹介している書評サイトにはまっております。
それで、この頃、やたらとノンフィクションの紹介が多いわけです。
まぁ、近頃おもしろい小説が見つけられないってのもあるのですが。

で、この本もHONZで紹介されていたもの。こちらで紹介されなかったらきっと気づかなかった本です。

レスリングとロシアの格闘技サンボで有名な選手だった方で、柔道の指導もしたらっしゃったビクトル古賀さんの少年時代を描いたノンフィクションです。
タイトルの通り、戦後、満州の奥地からたった独りで日本へ引き揚げてくるまでをメインに描いています。
何故、当時10歳の子供がたった独りで引き揚げることになったのかというと彼がロシア人と日本人の間に生まれた子供だったから。
途中、彼が日本人たちから受けた仕打ちは読んでいて非常に腹が立ち、同じ日本人として恥ずかしかった。もちろん時代が今とは違ったというのは理解していますが...。こういったことを二度と起こさないためにも戦争を起こしてはいけないなと思います。

でも、悲惨な話なのかというと全くそうではありません。
ビクトルさんのおじいさんはコサックで彼は小さなころからコサックとしての知恵を教えられて育っていて、しかも自由人でもあった彼はとても過酷に思える道のりを、とても楽しそうに歩きとおしています。本当に素晴らしい。

彼は道中、離れたところから日本の引き揚げ隊の姿も見かけます。
隊の運命はリーダーの資質でかなり左右されていたそう。女性や子供、老人の多い引き揚げ隊でリーダーになるのは壮年の男性。彼らが自分たちが助かることだけ考えているか、体力のないものを気遣っているかでかなり隊の様子が変わっていたんですって。なんと後者の方が、多くの人が無事に生き抜くことが多かったとか。
戦時も、平常時も自分のことしか考えないリーダーはダメだってことですな。


引き揚げというと悲惨な話をよく聞きますが、彼の旅路はそれとはまったく違って、とても爽やか。
本当に素敵な読後感の本でした。ビクトルさん、無事に生きて帰って、体験を語ってくださってありがとう、と言いたいです。
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2011年05月05日

たまには、時事ネタ

4120037975たまには、時事ネタ
斎藤 美奈子
中央公論新社 2007-01-06

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2001年から2007年まで『婦人公論』に連載された時事ネタコラムをまとめたものです。
「ああ、こんなことあったよなぁ〜」と感慨深かった。

01年と言うと小泉総理大臣が就任した年だったわけで、時事ネタコラムとしてはネタには困らない状況だったんだなぁと。(とはいえ、現在進行形で扱うには難しすぎるネタも多かったんですね)

コラム当時に「これ将来問題なんじゃ」と言われてたことの結果が、今読むともう分かってるわけで、ホンマにその通りやったなぁ〜と思うこと多々。
posted by ぷぅ at 18:05| Comment(0) | TrackBack(0) | た行

2011年03月04日

沈黙の時代に書くということ―ポスト9・11を生きる作家の選択

415209155X沈黙の時代に書くということ―ポスト9・11を生きる作家の選択
サラ パレツキー Sara Paretsky
早川書房 2010-09

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昨年、来日した折に新聞雑誌などで著者のインタビューを読み興味がわきました。
本当は原書で読みたかったのだけど、kindle版がなかなか日本から買えるようにならなかったのと、図書館でみつけてパラパラとめくってみたところ、日本版だけの特別寄稿があったので借りちゃいました。

うーん、怖かった。
9・11テロ後、特に愛国者法が施行されてからの話が…。
作者がちょっと大げさに書いているんだと信じたいくらい怖かった。(でも、きっと大げさでなくこれが本当なんでしょうね)
わが国がこんな風にならないように願います。(けど、確実に後を追いかけているようなので不安)

愛国者法以前の話も、女性の権利の話など日本で「アメリカは〜」的に語られる様子とは随分違うようで…。

V・Iシリーズ誕生に関する話もとても興味深かったです。
このシリーズも読みたくなってしまった。(いつ読めるのか…:爆)
posted by ぷぅ at 17:34| Comment(0) | TrackBack(0) | た行