2012年02月10日

大人のいない国―成熟社会の未熟なあなた

4833418886大人のいない国―成熟社会の未熟なあなた (ピンポイント選書)
鷲田 清一 内田 樹
プレジデント社 2008-10

by G-Tools


こちらは鷲田清一さんと内田樹さんの共著。
お二方の著作の中では短く、分かりやすい作品ですが、内容はみっちり濃く、とても面白かったです。

未熟な人たちばかりでも回る成熟した社会システムを作り上げた日本。
でも、そろそろ大人が必要なのでは、という提言です。

興味深く、納得のいく意見が多いです。

クレーマーも「誰がこんな国にした」と嘆く愛国者も、今の日本の状態に自分は責任がないと思っている点で根は同じ。

矛盾したものを自分の中で引き受けて、上手く取り扱うことができること(内田さん)、フィクションとしての「席」のあり方を理解し使えること(鷲田さん)、が大事。

北朝鮮やスターリン支配を例に挙げ、彼らの作った社会が非人間的なのは「間違った社会理論」に基づいて社会を作ったからではなく「正しい唯一の社会理論」に基づいて社会を作ったから、というのは目から鱗だけど納得。

そして家庭も同じく、ただ一つの価値基準しかないのは地獄。

言論の自由についての話もとても面白い。

「大人」についてだけでなく、他の様々なことについても考える参考になる事柄がたくさん書かれていて、また折に触れて読み返したい。
posted by ぷぅ at 15:56| Comment(2) | TrackBack(0) | あ行
この記事へのコメント
おお、これはなんか面白そう。
読んでみたいですわ。
子供の頃読んでた週刊誌と今の週刊誌の、世間を見る視点の落差が、自分の気持ちのせいだけじゃないような気がするので。
昔の『週刊新潮』の底意地の悪さって、半端なかったような・・・今は、ただの煽り記事にしか見えません。
そういえば、昔の30歳って今の50歳にも無い老成した趣きがあった気が。
Posted by なかさん☆ at 2012年02月10日 17:35
うん!面白かったです。お薦め!
ただ、ページ数が少ない割にお値段が結構お高いのが難点なんですよー。
とはいえ、個人的には大当たりでした(著者二人とも好きなんでちょっとひいき目があるかもですが)。

そうそう!最近の週刊誌の記事って昔ほど面白くないよねぇ。新聞もそう。
視点が単純すぎると言うか、価値観、評価が一面的すぎると言うか。
ま、中でも一番どうかと思うのは政治家だけどね。
もうちょっと信念があって老練で一筋縄では行かないしぶとい人がいてもいいと思うんだけどねぇ。
分かりやすさは危険だよー。
Posted by ぷぅ at 2012年02月11日 11:30
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/100545734

この記事へのトラックバック