2012年03月22日

ワーカーズ・ダイジェスト

4087713954ワーカーズ・ダイジェスト
津村 記久子
集英社 2011-03-25

by G-Tools


苗字が同じ、身長もほぼ同じ、誕生日も同じ、男と女の佐藤さん。
二人とも耐えられないほどじゃないけど、ちょっと気になる問題を抱えています。
そんな二人の日常が描かれます。

淡々としているんだけど、なんというか誰もが「ああ、分かるよー。こういうことあるよー。声高に不平を訴えることはできないくらいなんだけど、ひっかかるんだよー」と思えるようなことが、とてもリアルに描かれています。
なので読んでいると少し辛いところもあるのですが、そこは津村作品。
二人の佐藤さんともに、ちょっとトボけたところがあったり、自分を俯瞰で見て少し笑ってみたり、ができる人物なので、ほっとします。
なんというか、展開もほんわかとしていいんですよね。津村作品好きだわー。

大阪の街並みがとっても詳しく、しっかりと描かれているので読んでいて、目に浮かぶようです。
街ゆく人の息遣いまで聞こえてきそう。
これをじっくり楽しめるのは大阪に住んでいるものの特権ですね。
posted by ぷぅ at 18:05| Comment(0) | TrackBack(0) | わ行

2012年03月08日

キャプテン・アメリカはなぜ死んだか

4167801639キャプテン・アメリカはなぜ死んだか (文春文庫)
町山 智浩
文藝春秋 2011-12-06

by G-Tools


また町山智浩さんの本です。ハマってるなぁ。

これで3冊目、前の2冊もアメリカの話だったんですが、こちらもです。
これだけ書いてもまだまだネタが尽きないというのがスゴイなぁ。
アメリカやっぱり、いろんな意味でスケールが大きい。

普及版 リトル・トリー』の話にちょっと驚き。
いい話として知られてますが、実はそんな裏があったなんて。

そういえば、AXNで『コールドケース』『USAカニバケツ』に書かれていたゴスの事件と似た話があって驚きました。
町山さんの本を読んでると背景が良く分かってより楽しめます。
posted by ぷぅ at 16:48| Comment(0) | TrackBack(0) | か行

2012年03月05日

文藝春秋 2012年 03月号

B006ZNF3VM文藝春秋 2012年 03月号 [雑誌]
文藝春秋 2012-02-10

by G-Tools


もうすぐ次の号が出ますが。
芥川賞受賞作が目的です。

受賞の直後に円城塔さんがローカルの情報番組に出てらしたのが手に取るきっかけになりました。
すごく興味はあったんだけど、なんだか難しいらしいという情報が先行してて少しビビってたんですね。
でも、TVの円城さんは素敵なジェントルマンで、なにより自作について「好きに読んでください。読み間違えたって構いません。小説ですから」と笑いながらおっしゃってたのが、気分を軽くしてくれました。
しかも、作家にとってはとても大切な創作ノートを公開するという、太っ腹ぶり。
その創作ノートがまた面白くって。図形ですよ、図形。
「これで100%完成してます。でも、このまま出版すると怒られるのでテキストに落とし込むんです」的なことを笑顔で話していられるのが、もう面白くって。
というわけで、わくわくしながら読み始めました。

文章は非常に明晰で読みやすいです。
だからといって作品を簡単に理解できるかと言うとそれはまた別の話。
でも、いいんですよ。作者が好きに読んでくださいって言ってらしたんだから(笑)
なんというか、タイトルに蝶がつくからっていうわけでもありませんが、ヒラヒラと気持ちよく翻弄されつつ読み終えました。
作中にわたしの好きな手芸いろいろがでてくるのもまたお楽しみ。
好き嫌いは確実に分かれるとは思いますが、わたしは好きでした。
他作品も読んでみたい。

SFも書いてらっしゃるし、インタビューによると南米の幻想文学もお好きだそうで、そういう作品が好きな方にはぜひお薦め。

何かと話題の田中さんの作品も面白かったです。
こちらはとても芥川賞らしい王道を行く作品。
中上健次を思わせます。文章はずっとすっきりと読みやすいです。
posted by ぷぅ at 15:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑誌