2011年12月15日

アメリカ下層教育現場

4334034330アメリカ下層教育現場 (光文社新書)
林 壮一
光文社 2008-01-17

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以前、『子供の貧困』を読んだ直後ぐらいに書店で見かけて購入したものの積読になっていた本です。
ここのところ、大阪では教育に関して気にかかる話題が多いもので手に取ってみました。

著者はスポーツ関係のフリーライター。
ふとしたきっかけでアメリカのチャーター・ハイスクール(一般のハイスクールの授業についていけない生徒が通う学校)で日本文化を教えることになり、その体験を書いています。

生徒たちの出来なさもすさまじいですが(とにかく座って授業が聞けない、とか)、彼らの家庭環境もすさまじいです。どの家庭も金銭的に苦しく、頼れる親族もいない、親は自分のことで精いっぱいで子供の教育どころではない。虐待を受けている子もいれば、父親と二人暮らしでその父親に重度の障害があり、家計も親の介護も子供が一人で背負っているとか…こういう家庭にはもっと援助があるべきなんじゃないのか!と怒りさえ覚えます。

そんな彼らを熱く導くのが著者。
自身の体験から、教育の重要さを子供たちに語ります。説得力があるわ。
そしてスポーツライター、特にボクサーの本を書いているので、アメリカの最下層で苦労し這い上がった選手とも面識があります。引用されている彼らに聞いた言葉の数々が素晴らしい。

このチャーター・ハイスクールというもの、地域の援助で成り立っているので授業料など学校にかかる費用は無料です。
そして、残念ながらこの学校をやめなければならなくなった後、著者は困難を抱える子供たちを支える活動に参加します。こちらもボランティアです。

市場原理主義の総本山で、低福祉国家のアメリカですが、こういうところは無料なんですね。
それに引き換え日本は…と考えると残念、というかもう情けないよ…。

しかも、大阪では3年間定員割れの公立高校は統廃合の対象とする、なんていう案の盛り込まれた法案が提出されてるし。
上記に当てはまるような学校には、学習や家庭環境に問題を抱えた子供が多く通っています。
そういう学校をつぶすなんて、何を考えてるんだと。
この案を出した方々、エリート教育には熱心みたいですけど、公教育の役割ってそれだけじゃないでしょうさ。

スラスラと読みやすく、でもいろいろと考えさせてくれる本でした。
posted by ぷぅ at 10:16| Comment(0) | TrackBack(0) | あ行

2011年12月08日

南極越冬隊 タロジロの真実

4094060049南極越冬隊 タロジロの真実 (小学館文庫)
北村 泰一
小学館 2007-02-06

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大型犬が好きなので、ドラマ『南極大陸』を観ております。
カラフト犬かわいいわー、たまらんわー。ええ、犬の姿を愛でるためだけに観ていると言っても過言ではございません(爆)

で、家族が購入したこちらの本も読んでみました。

著者は第一次隊に最年少で参加され、犬係だった方。
今からは考えられないような苦労がたくさんあったんですねぇ…。
他にも驚くことがたくさん。

マイナス30度の世界で長らく過ごした後は、マイナス10度が心地よく感じられるとか、もう感覚がどうかしちゃってるよー。人間、どんな環境にも慣れるもんなんですね(汗)

そして、タイトルにもなっている犬ぞり犬のこと。
当時も、そして映画『南極物語』が公開された際もそれは激しい批判が寄せられたとか。
うーん、わたしも犬は好きだけど、でもやっぱりこの場合は仕方なかったと思うんですよね。
なんちゅうか、現在でもそうですけど、動物愛護の方の中には、動物を大事にするあまり、人間に対してイケズになっちゃってる人が結構見受けられるのが残念。

実際に起こったことを書かれた本なわけですが、ドラマよりも面白い(笑)
事実の持つ力を感じました。
posted by ぷぅ at 16:27| Comment(0) | TrackBack(0) | な行

2011年12月02日

しがみつかない生き方―「ふつうの幸せ」を手に入れる10のルール

4344981324しがみつかない生き方―「ふつうの幸せ」を手に入れる10のルール (幻冬舎新書)
香山 リカ
幻冬舎 2009-07

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香山リカさんの本はデビュー当時は良く読んでいたのですが、途中からなんとなく合わなくなって遠ざかっておりました。
が、この本は出版された当時に話題になって、評判などを読むとなんだか面白そう、と気になってました。
先日、図書館で見つけたので借りてみました。

言われていることはわたしが子供のころは普通に言われていたことだと思うんですが、なんか今書かれると新しい。
なんというか、ここ2,30年で日本人の価値観、考え方ってすっかり変ったんだなぁと感慨深いです。

9/11と小泉政権後に人々が狭量になったという点には全く同感。

勝ち負けにこだわりすぎて、勝った人も負けた(といわれる)人も生きづらい世の中って悲しすぎる…。

もう一度、じっくり本質的なことを考え直した方がいいですよねぇ。
posted by ぷぅ at 17:01| Comment(0) | TrackBack(0) | さ行