2011年09月16日

スターバト・マーテル

4334926975スターバト・マーテル
篠田 節子
光文社 2010-02-19

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表題作と短編が一作収録されています。

表題作はなぁ、気持ちは分からなくもないけど、後味はあまり良くない話でした。
主人公の女性に共感しにくかったのが大きな原因かな。
主人公と心を通わせる昔の同級生で、後に伸び悩んだ早熟の天才の話は切ないけど、なんとかそれを乗り切った彼の生き方には感心しました。
そっか、そう思うと中学時代、周りから浮いていた彼の心の支えになった主人公は良いところもあるかな。
うん、人生って一筋縄ではいかんわねぇ。

個人的には2作目の方が好き。
明るいし、元気も勢いもあって。登場人物は曲者揃いだけど、そこがまた良いわ。

篠田さんの作品では地味にでも頑張ってきた人たちの描かれ方が好きだ。
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2011年09月05日

サブリミナル・インパクト―情動と潜在認知の現代

4480064605サブリミナル・インパクト―情動と潜在認知の現代 (ちくま新書)
下條 信輔
筑摩書房 2008-12

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下條氏の以前の著作がとても面白かったので、新しい本が出るのを楽しみにしてました。
が、アメリカに行ってしまわれ、一般向けの書籍は長らく書いてらっしゃらなかった。
思わず、その間に専門家向けのも図書館で借りて(買うと高いんで;汗)読んでしまいました。

で、久々の新作がこちら。

以前の著作と重なる部分は多いものの、エッセンスが凝縮されており、また前作出版後に起きた9.11テロやその後のアメリカの報道の様子を、心理学的な観点から分析されていたのが興味深かったです。
「イラクには大量破壊兵器がある」→「やっぱ無かったわ」ってあんまりにもいい加減やし、そんなことでは信頼を失うのでは?と思ったんですが、なんのなんの。実はむしろこの流れが大事だったということが説明されてます。
怖いよー。

潜在と顕在のあわいから、あっと驚くような新発見や発明が生まれるという話も興味深かった。
幅広い知識をどっさりと溜め込んで、それを潜在意識のレベルにまで持っていくと、ある時、潜在意識との間でスパークが起こるんですって。
今月のクーリエの「一番大事なのは努力」って話にも共通するところがあり面白かった。

下條氏の前著はこちら。


4121013247サブリミナル・マインド―潜在的人間観のゆくえ (中公新書)
下條 信輔
中央公論社 1996-10

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4061494392「意識」とは何だろうか―脳の来歴、知覚の錯誤 (講談社現代新書)
下條 信輔
講談社 1999-02-19

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